裏切られた私の初恋の話

私の初恋はとんでもない形で裏切られた。
あれは幼稚園の年長の話。

途中から転入してきた私がそこで出会った男の子。
仮にA君としておこう。
A君は非常に格好良く、身長も高く、何だか全てが大人っぽかった(あくまで幼稚園生フィルターを通していると断っておく)。

だから色んな女の子から人気が集中していた。
女の子というのは、非常に精神的な発達が早いというのがこんな時からすでに分かる。

馬鹿みたいにぎゃーぎゃー騒いだり、女の子をからかったりするその他大勢の男の子ではなく、すでに一皮向けたような大人びた子がもてはやされるなんて、みんなすでに見る目が養われている。
これが年を経るとともに、いつのまにかみんな迷走して、とんでもないのに引っかかったりするというのはまた別の話だ。

それはともかく、私もA君にすっかり骨抜きにされてしまった。
そして、今考えると軽率にも女友達にその話をしてしまったのだ。

幼馴染ならばともかく、転校したてで仲良くなったばかりの子にそんなプライベートな話をするなんて軽率にも程がある。
その子がどうやら周囲に漏らしたらしく、あっというまにその噂が広まったのは言うまでもない。

そして私は転校そうそうなんとも居心地の悪い、「人の噂も七十五日だから、がんばれ」のよく聞くフレーズを実体験で学ぶこととなった。
今思い出してもとても苦い初恋だ。

そこで私はうかつに人を信じない子供になったのだ。
やれやれ。

そういえば、思い出した。
私がこの世に生まれて初めて好きになったのは、とある児童向け番組のキャラクターだった。

ライオンみたいのと、ペンギンみたいのと、ネズミみたいのが出て来る伝説的番組。
そのネズミに惚れたのだった。
そうか、これが私の本当の初恋か。

»